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第9話「何故、大人向け電子書籍絵本を始めたのか?」



京都のインテリジェントビルのベンチャールームは2名が限定のブース毎にベンチャーが入居する区割りのフロアで、2005年のベンチャーブーム時代においては中々最先端なテナントでした。


その小さな区割りブースの背中合わせに、夜から出勤してくる、とある人物との出会いがこの後、絵本屋.comを創るきっかけとなったのです。


当時、私は誰よりも早く、そのベンチャールームに出社し、誰よりも遅く退社していました。

その退社時間が大体、23時頃でしたが、その時間から朝方まで勤務するという完全夜型の人物がいました。


最初は私が帰る際に見かけるくらいで、全く印象に残らない存在でした。

というよりも本人も存在感を消していたそうです。


夜中に出社していた理由も人と会いたくなかったからだと、後でその人物から教えてもらいました。


私のブースと背中合わせのそのブースは医学博士が経営するメディカル系ベンチャーでしたが、医学系の書籍も出版されていて、そのデザインを担当していたのが、その夜中から来る人物であり、医学博士の息子さんでした。



そんな日々が続くある日、少しの間だけその彼と二人の時間が発生しました。


そろそろ帰宅しようとする私は、後ろの人に挨拶をして帰ろうかと、そのブースを覗くと、

余りにも見事なイラストをPCで描かれていて、イッキに話しかけたくなりました。


「あの、凄いイラストですね!デザイナーなんですか?」


それが、まだ神戸大学に在学中(8回生?)のヤング「サトウヒロシ」との出会いであったのです。


佐藤さんは「あ、はい」とかなり緊張した様子で返事をすると、話しかけて欲しくないオーラを爆発させていました。


しかし、私は元々絵描き志望ですから、興味津々です。


私「デザインとかイラストとかかなり好きなんですよ。天野喜孝さんなんて最高ですよね!」


このキラーワードに、佐藤さんは「え!そうなんですか!ボクも大好きです」と前のめりになって態度を変容させたのでした。


その後、二人でかなりオタクな話で盛り上がり、ここから私たちの関係は相当な密度を増していくのでした。







2015年11月からサービスを開始した、大人向け電子書籍絵本レーベル。

大人が笑える、泣ける、癒されるといったピュアな感情を得られる絵本を所属の絵本作家陣と共に創作し、各種電子書籍絵本ポータルサイトで販売している。代表作のサトウヒロシ作「明日死ぬかもしれないか今お伝えします」はアマゾンキンドルストア総合ランキング第2位を獲得する大ヒット作(2018年12月にMBS「ちちんぷいぷい」に今井とサトウヒロシが生出演で作品が放送されている)絵本屋.comの一部の作品は海外でも人気を博し、中国、台湾、韓国、アメリカで紙書籍、電子書籍で流通している。

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