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第8話「何故、大人向け電子書籍絵本を始めたのか?」


1999年4月から私の社会人生活は始まりました。

今からもう25年前ですね。


仕事と音楽の両立を目指してはいたものの、世間は激動期であったのとスーパー営業会社での日々は痛切なもので、とても音楽などしている暇は有りませでした。


当初から1年くらいの社会人経験で良しと考えていたので、予定通り、その最前線からは離脱し、ずっと前に考えていたフリーター生活に移行しました。


残業がなく、土日祝が完全に休めるアルバイトでただ暮らしていけるレベルで良いと考えた私は倉庫内の肉体労働を選びました。確か、8時30分始業の17時終業という余りにも規則正しい職場でした。


このアルバイトをしながらセミプロのミュージシャンのレッスンを受けつつ、時々ライブをするようになりましたが、この倉庫内の肉体労働はとてもとてもハードだったため、半年間で辞めることにしました。時間はできたのですが、帰宅後に体力が続かず、断念しました。


そこで求人誌を見て、飛び込んだのが新卒の就活時に会社説明会のみ参加したリクルートのグループ会社でした。


運良く採用され、求人広告営業マンとしてまたビジネスシーンに復帰しました。

リクルートグループは超優良企業でしたので、休日、福利厚生共に最高レベルで、残業もありますが自分の力量で何とでもコントロールできるため、1社目の有線放送のような過酷さは全くありませんでした。


その当時の私にはこれもまたカルチャーショックでした。


リクルートは日本の企業だけど、中身は外資家企業のようなアグレッシブさと柔軟さを持ち合わせていて、非常に合理的。そして体育会系出身のインテリ集団であり、その人材力の凄さを肌で感じ、その際に初めて「起業」を意識しました。


なんせ、次々と異動や出向、グループ再編、そして起業などが展開していく機動力のある組織でしたので20代前半の私にとっては刺激的でした。


「そうか、起業という手段を用いれば、自分の時間もやりたいことも実現できるかもしれない」


そう心を躍らせたことを今でも覚えています。


リクルートグループでの仕事ぶりは水を得た魚のようにしっくりきて、会社からも評価を頂ける営業マンになっていました。


このまま、ビジネスマンとして成功を目指すのも面白いのかなと思ったのもそれが初めてでした。


また、セミプロミュージシャンのところでレッスンをし直したりして、今度こそ仕事と音楽の両立を目指していきましたが、先ほど述べた、かすかな起業マインドがメラメラと燃え始めていたことに気づかされました。


実はその頃には、自分にはミュージシャンの素養がないこと、絵描きとしての人生も再開できないことを実感していましたので、本当に自分に向いているだろう道を模索する心境が芽生えていました。



ここから超端折りますが、リクルートグループはその後、もう1社(人材紹介)経験し、その時期に一人で会社を創業したての私より2つ年下の起業家と出会い、一緒にIPOを目標にベンチャー経営を進めて行くのですが、時は2005年の春ごろのことでした。


その小さな人材系ベンチャーをまだ2名で経営していたところ、京都の有名なインテリジェントビルの中に開設されたベンチャールームで、ダイヤモンドの原石と言えるクリエイターと出会うのでした。


この出会いが、2011年に絵本屋.comをスタートさせるきっかけとなる運命的な出来事だったのです。







2015年11月からサービスを開始した、大人向け電子書籍絵本レーベル。

大人が笑える、泣ける、癒されるといったピュアな感情を得られる絵本を所属の絵本作家陣と共に創作し、各種電子書籍絵本ポータルサイトで販売している。代表作のサトウヒロシ作「明日死ぬかもしれないか今お伝えします」はアマゾンキンドルストア総合ランキング第2位を獲得する大ヒット作(2018年12月にMBS「ちちんぷいぷい」に今井とサトウヒロシが生出演で作品が放送されている)絵本屋.comの一部の作品は海外でも人気を博し、中国、台湾、韓国、アメリカで紙書籍、電子書籍で流通している。

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