2016年5月28日の一件から恐らく1週間もしないうちに、サトウヒロシ氏から何本かのラフ付きのシナリオが届き、その中の一つに「明日今」の原型がありました。
ラフレベルでありながら、読み進めると鳥肌の立つ感動を覚えたことを今でも鮮明に記憶しています。
私「何これ!?サトウさん、新境地に入ったんじゃないの??」
ストーリーは非常にシンプルなのですが、キャラクター、環境設定、迫力が最大化した万年筆画、そして何より、この絵本を名作として完成させているのは登場人物の「台詞」だと思っています。
その台詞には相当なリアリティがあり、読者を一機に絵本の世界に連れて行ってしまうほどの効力がありました。つまり、絵本の内容がまるで自分事のように思えるというエフェクトです。
そのラフを確認した段階で、私はこの作品であればイケる!と手ごたえを感じました。
スグさま、サトウさんへ本制作のゴーサインを出し、何とそれから2週間程度で絵本を完成させ、2016年6月29日に販売を開始したのでした。
この頃のサトウヒロシ氏の絵本制作へのパッションは恐らく最高潮に達していたと思います。元々、超高速の制作スピードを発揮できる作家ですが、その時のものづくりは現在と比較しても一番だと思います(絵本制作に限っての話ですが)
こうして名作「明日今」が世に出ていったのですが、アマゾンキンドルストアの総合ランキング第2位を獲得する要因には、実はミラクルな出来事があったのでした…。
勿論、販売後には絵本ランキングでは1位を獲得し、順調な売れ行きでしたが、総合ランキングではまだまだでした。
それは確か、発売から1年半が過ぎた2017年の暮れのことだったと思います。
1通のメールが私の元へ届いたのですが…!

絵本屋.comとは
2015年11月からサービスを開始した、大人向け電子書籍絵本レーベル。大人が笑える、泣ける、癒されるといったピュアな感情を得られる絵本を所属の絵本作家陣と共に創作し、各種電子書籍絵本ポータルサイトで販売している。代表作のサトウヒロシ作「明日死ぬかもしれないか今お伝えします」はアマゾンキンドルストア総合ランキング第2位を獲得する大ヒット作(2018年12月にMBS「ちちんぷいぷい」に今井とサトウヒロシが生出演で作品が放送されている)絵本屋.comの一部の作品は海外でも人気を博し、中国、台湾、韓国、アメリカで紙書籍、電子書籍で流通している。